山梨県で最も東部に位置し、東京・神奈川という都市部に隣接する山梨県上野原町。「都内への近さ」と「自然の豊かさ」から近年ではリモートワーカーや二拠点居住者にも人気の街です。その上野原町で築300年超の古民家をリノベーションし、ADDressとシェアハウスとして活用しているのが大神田さんです。今回は、先祖代々受け継いだ古民家のリノベーションやひまわり不動産にご相談いただいた背景などお話を伺いました。
自己紹介
上野原で生まれ育ちました。今は会社員をしていて結婚し子供が1人います。実家はこの古民家の向かいにあり、この古民家には祖父と祖母が暮らしていましたので、小さい頃からよくここで遊んでいましたね。自分にとっては「おじいちゃんの家」でしたが、お客さんが来ると「いい家だね」と褒めてもらえることもあって、「そうなんだな」となんとなくは思っていました。
古民家リノベーションの背景
社会人になって結婚し、大月市に住んでいました。ある日祖母が亡くなり、この古民家に住む人がいなくなってしまいましたので「じゃあ、自分が住もう。」と思い引っ越してきました。子供の頃、親戚のおじさんに「いつか戻ってこいよ」と言われていて。なんとなくですが、いつか自分がここで暮らすんだろうなというイメージは持っていたのです。
しかし実際に住んでみるとこれがものすごく大変で。まず親子3人で暮らすには広すぎる。そしてとにかく寒い。お風呂からトイレまで家の端から端まで移動しなければならず、その移動中に妻が風邪をひいてしまうくらいだったんですよ。そして荷物がすごい。300年も建っていますから屋根裏には何だかよくわからないものが大量にありました。
「なんとかしなきゃ暮らせないぞ」という状況で、水回りや断熱などもリフォームが必要でしたので地元の建築会社に見積もりを依頼したんです。そしたら驚きの金額が出てきて。「だったら新しく建てた方が良い」ということで隣接する土地に新築で家を建てたのです。
自分が住む家は新築で建てたのですが、古民家はそのまま残ったまま。どうにか活用できないかと思って「ジモティ」という無料掲示板サイトに「古民家物件を活用してくれる人募集」と告知を出したのです。数件問い合わせがあり、その中の1人が上野原に移住してきた方でした。物件を見てとても気に入ってくださり、上野原市役所の移住担当に繋いでくれました。その時、ちょうど上野原市が移住政策の一環として「ADDress」というリモートワーカー用の多拠点居住&ワークスペース事業の整備補助金を行っていることを知り、そちらに申請することにしました。
ひまわり不動産との出会い
「ADDress」は日本各地の空き家を活用した、月額定額サービスなのですが、今回の補助事業では、こちらで物件を整備すれば後はADDress側で全部借り上げて家賃を支払ってくれる予定でした。しかしここでも問題が。物件が広すぎたのです。そこで物件の一部は「シェアハウス」として貸し出すことになりました。
近隣の不動産屋さんに「物件の一部をADDressに貸し、一部をシェアハウスとして貸したい」と相談したのですが、どこもなかなか腰が重くて。実際「アドレス」も「シェアハウス」もみなさん良く分からなくて「面倒くさそう」というのが正直なところだったんでしょうね(笑。
それでシェアハウスの管理や仲介をしている会社をインターネットで探して都留市にある「ひまわり不動産」に問い合わせたのです。
ひまわり不動産の印象は?
最初は電話で問い合わせたのですが、「ADDress」や「シェアハウス」のこともすぐに理解してくれたので「もう、ここしかない!」という感じでしたね(笑。
その後、上野原まですぐに物件を見に来てくれました。募集をお願いしたらリフォームが終わる前には空室が全部埋まりました。今、住んでいる方もネット経由で物件を見て「ここに住みたい!」という方が来てくれています。仕事を辞めて移住してきてくれた方もいるんですよ。とても嬉しいですね。
現在の活用方法
個室が全部で6部屋あるのですが、半分をADDressに貸し出し、半分をシェアハウスとして貸し出しています。シェアハウスにはご家族も入ってくれていて、小さな子供が家族のように暮らしていてとても良い雰囲気です。
歴史も思い出もたくさんある古民家がこうやって新しい出会いを生み出し、安定的に家賃収益も出せているのは本当に嬉しいことです。
今後考えていること
この物件のことで言えば裏庭の木を切って眺めを良くしたいですね。山の上に建っているので景色が綺麗なんです。そうやって自分のペースで木を切ったり、草をむしったり。自分が住んでいる訳ではないけど、300年の歴史の後に、自分自身が手入れができるのもとても幸せですね。
祖父が生きている頃、外壁や屋根の改装をしたんです。反対意見もあったのですが祖父が「壊すなら俺が死んでからにしろ!」と言って断行したそうで、今では祖父に感謝です(笑。
また、この経験をもとに他にも良い空き家があればリノベーションして活用したいですね。中野さん、良い物件があったら紹介してください!
空き家活用を検討されている物件オーナーへの一言
歴史ある建物や土地を相続するのは大変なことも多いと思います。私は子供の頃から「いつかここに住むんだろう」と思っていましたし、この建物に価値があると思ってはいたけど、住んでみれば問題だらけで。活用するにも掃除をしたり、見積もりとって交渉したり、補助金を申請したり。やることがたくさんあって本当に大変です。私のモチベーションのほとんどは「どうにかしてやる!」という怒りでした。
ただ「インターネットに情報を発信したこと」はとても良かったなと思います。その結果、上野原市の担当者に繋いでもらえましたし、ADDressのことを知ることもできました。自分だけでは知ることもなかったことだと思います。
その結果、歴史も思い出もたくさんある古民家がこうやって上野原という地元に新しい出会いを生み出す機会になり、またシッカリ家賃収益も出せています。お困りの方は是非、ひまわり不動産さんに相談してみてはどうかと思います。