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都留の空き家を大学生のシェアハウスに。卒業生も遊びに来る「都留の居場所づくり」

都留の空き家を大学生のシェアハウスに。卒業生も遊びに来る「都留の居場所づくり」。

「人口の約1割が大学生」という特徴を持った都留市。都留文科大学を卒業した後も都留市に残り、シェアハウスの管理人をしているのが黒澤駿さんです。今回は、都留市でシェアハウスを行うようになった背景や今後の取り組みについてお話を伺いました。

自己紹介

都留文科大学卒業し、主にウェブディレクターとして都内や関東圏の企業のウェブマーケティング、コンテンツ企画・制作などをしています。都留市でシェアハウスの管理人もしながら、主にリモートワークで働いています。最近はもっと地域とつながる仕事がしたいと思うようになり、山梨県の食材を使ったアウトドア料理をキッチンカーで販売する事業もスタートしました。


シェアハウスで過ごした学生時代

学生時代、大学の先輩が一軒家を借りてシェアハウスをしていました。遊びにいく中で3年生から自分もそのシェアハウスに住むようになりました。シェアハウスには色々な友人が遊びに来たり、近所の方ともお話をしたり、畑を手伝ったり、さまざまな交流があり楽しかったですね。入学当時は大学近くのワンルームアパートに住んでいましたが、その頃はそういった交流はほとんどなかったので。

管理をしていた先輩が卒業する際に「このシェアハウスをどうするか?」という話になりました。シェアハウスでの生活がとても気に入っていたので私が管理人を引き継ぐことにしました。それから、私は大学を卒業した後も都留市で暮らすことを選び、シェアハウスの管理人を続けてきました。

シェアハウスにはたくさんの友人が遊びに来るのですが、その中に「自分もシェアハウスに住みたい」という人たちが増えてきました。しかしもう部屋がいっぱいだったので、近くにシェアハウスができる物件がないかなと思っていました。


ひまわり不動産との出会い

住んでいたシェアハウスの隣に一軒家があり、ご家族が住んでいました。子どもがいてよく一緒に遊んだりしていたのですが、ある日そのご家族が引っ越すことになりました。そこで、物件をシェアハウスとして借りれないかと相談してみたところ、大家さんに繋いでいただけました。その物件を仲介・管理しているのがひまわり不動産で、中野さんとお話しすることとなりました。
従来は賃貸として貸し出している物件ですが「シェアハウスとして使いたい」と相談したところ、大家さんと調整して快く貸し出してくれました。


ひまわり不動産の印象

「どんな風に暮らしたいか?」を良く聞いて下さったことが印象に残っています。「一軒家を賃貸してシェアハウスにしたい」というのは今思えばちょっと面倒くさい相談だったと思いますが(笑、とにかく話を丁寧に聞いてくれたことが印象に残っています。

また、ひまわり不動産が物件を紹介した新入生に声をかけて一緒にバーベキューを開催してくれたこともありました。そうやって繋がりを作ってくれるのはとても嬉しかったですね。


物件をシェアハウスとして活用

中野さんに繋いでいただき、物件を無事お借りすることができました。既にシェアハウスに住みたいという友人たちがいましたので、みんなで物件を見ながら使い方を決めていきました。シェアハウスにする為、各個室に鍵をつける必要があり、大家さんに対応頂き大変ありがたかったです。それ以外には特に大きなリフォームはせず、そのまま使わせていただいています。

シェアハウスには5人が暮らしているのですが、住民以外にも同級生、卒業生も気軽に遊びに来てくれます。みんなで近所の方の畑を手伝ったりすることもあります。5人いると結構色々出来るんですよね。卒業生はお土産を持ってきてくれたり、就活の際はエントリーシートの書き方を教えてくれたりもするんです。週末などは、とりあえずシェアハウスに来てから「明日どこへいこうかな?」と考え出す人も多いんですよ。


どんな人にシェアハウスがオススメ?

このシェアハウスは住民以外の方もたくさん遊びに来ますので、人との出会いを楽しんだり、自分の糧にできる人は良いと思います。ストレスを感じる人もいますので、そういう方は住まいは別に借りて遊びに来てもらえれば良いと思います。「入居したい」という相談をもらった時も、その点はシッカリ確認しています。

また、お米とパスタ麺はシェアハウスで常備しているので、食糧に困ることはありません。実はこれもポイントで、料理を作ってみんなで食べることで仲良くなっていくんです。掃除などのルールも基本的にはみんなで決めて守ってもらいます。近隣が住宅地ですので夜騒がしくしない、など当たり前のことをちゃんとやることが大事ですし、管理人として注意することももちろんあります。

大学生活は4年間ありますから、1年くらいはシェアハウスで過ごすのもオススメです。大学の中だけでなく、地域の方とも出会いがありますし、嫌なら引っ越せば良いだけなので気軽に選んでほしいと思います。


シェアハウスに向いている物件とは?

「広いリビング」と「庭があること」だと思います。リビングが広いと集まりやすいですし、利用の仕方も工夫できます。今のシェアハウスもリビングが広いので、「集まって話をするスペース」と「集中して作業するスペース」に分けて使っています。

また、庭があることでDIYやちょっとしたイベントが出来る物件も良いと思います。実は「庭で布団が干せる」ことも大事です。お日様に布団が干せるってアパート暮らしだとできませんよね。でもすごく気持ちが良いし、布団がフカフカで寝る時間が快適になるのは生活していく上で大事なことです。

場所は大学に近い方が良いかと思いますが、物件それぞれの特徴があれば良いと思います。例えば銭湯の近くなら「銭湯シェアハウス」、畑の近くなら「畑シェアハウス」もできますよね。住みたいというメンバーが5人くらい集まれば良いので十分できると思います。


今後、考えていることはありますか?

都留市で暮らす大学生に「シェアハウス」という選択肢をもっと増やしたいと思っています。私が管理するだけじゃなく「シェアハウスをやってみたい」という方にノウハウや運営方法のアドバイスもできますので、興味のある方は是非気軽に相談してほしいですね。

また、最近はシェアハウスの近くにある3階建ての物件をDIYで改装してカフェ・シェアスペースにする取り組みをしています。「ほぼ廃墟」みたいな物件で予想以上に掃除が大変ですが(笑、自分達のペースで楽しみながらやっています。
都留市も昔は「下宿」も多かったと聞きますが、今はワンルームの学生アパートで4年間を過ごす学生がほとんどです。学校、アルバイト、自宅の往復の中では地域の方との出会いも少ないですし、せっかく都留で暮らすのにもったいないなと個人的に思います。シェアハウスがあることで都留市がもっと好きになり、卒業した後も気軽に都留市に遊びに来てくれます。関係人口増加という観点でも価値があると思います。


空き家活用を検討されている物件オーナーへの一言

今の物件を貸して下さっている大家さんや近隣の方には本当に感謝しています。「貸主と借主」というような形式的な関係だけでなく、お互いに「●●さん」という顔がちゃんと見えて交流があり、だからこそ迷惑をかけないように心がけています。

また、シェアハウスがあることで学生が在学中に地域と関わるキッカケになり、卒業後も気軽に帰ってこれる第二の故郷のような場所になっています。これは学生にとっても、都留市にとっても良いことだと思います。

シェアハウスだと「収益が安定しない…」とか「近隣に迷惑がかかるのでは…」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。シェアハウスに住みたいという学生は常に一定いますし、ちゃんと管理人がいて、ご近所とお互いに顔が見えることの方が大切だと思います。

「シェアハウスをやってみたい」という方には僕がノウハウや運営方法のアドバイスもできますし、「貸しても良いよ」という物件をお持ちのオーナーさんは是非、ひまわり不動産さんに相談してほしいと思います。